雪の山って本当に怖いね
下山していたらいきなり道が無くなって傾斜50度の雪山下山する羽目になるんだもん
アイゼンもストックもないのにそんなことをしたらどうなるか…
身をもって経験してきたよ
エコーライン
白山室堂ビジターセンター出発
行きは黒ボコ岩コースをを登って来たので帰りはコースを変えてエコーラインを通って下山することにしました
上の地図の緑の線がエコーラインです
白山室堂ビジターセンターから下山です
道がよくわからなかったので白山室堂ビジターセンターの方に尋ねました
五葉坂を下山したら二手に分かれているのでそこを曲がってくださいと言われました
友達は「五葉坂を下りてすぐ曲がるんじゃないの?」と言ってくれましたが私の勘違いで黒ボコのところが分岐じゃない?と黒ボコ岩まで行きました
やはり、私の勘違いでした
黒ボコ岩迄行きましたが分岐するところが無かったので、また五葉坂まで戻ります
雪一面で分岐の目印が無くて分からなかったのです
もちろん道も有りません
初めての場所で案内看板もなく、道がないところを歩くのは何とも不安です…
白い雪の上をこの方向なんだろうなと思いながら歩いていきます
雪の季節でなければ分岐の目印や道も出ていると思うので迷わないと思います
快適なみち
白い平原を抜け終わると歩きやすい板張りの道が現れてきました
行きの黒ボコ岩コースは黄泉の国に通じるのか?と思わせるほどの階段地獄だったのでエコーラインのほうが歩きやすくていいねと言いながら雪の景色を見ながら楽しく下山していました
チャレンジャーなグループ
快適な板張りの道は少しだけでそれから又、雪の上を歩いたり舗道された道を歩いたりしながら下山していきます
ほぼほぼ下山してあと少しというところまで来ました
山の裾の方に、急勾配の雪の坂をストックを持って蟹歩きをしているグループが見えます
見ているだけでも恐ろしい曲芸をしているような怖い光景です
友達と
「登っているのかな?下りているのかな?どちらにしろとチャレンジャーだよね。部か何かの特訓かなあ?危なすぎて私たちは絶対無理だよねえ」
と下に見える小さなグループのかたまりを見て話しながら下山していきました
道が消えた
今まで快適に進んでいた舗道が急にプツリとなくなり目の前は50度くらいは有りそうな急勾配の雪坂しか道が無い状態になっていました
上のマップで言えば青い囲いの部分です
「へ?!」
まさかの展開…
あの下にいた、恐ろしい曲芸をしていたグループは部か何かの特訓でも何でもなく道がなくなったので下山していたのです
この坂をあの人達みたいに降りるのは絶対無理!
ストックもアイゼンも無いのに一度滑って落ちてしまうと、どこまでもすごい勢いで自分が滑落していくのは火を見るよりも明らかです
一度デパートのエスカレーターで脚を滑らせて落ちたことが有ります
その時、どうやって止まろうとしても勢いがどんどん増して止まれず下まで転げ落ちたことが有るのでよくわかります
かといって今まで来た道を戻って黒ボコ岩コースから下山するにはかなりの労力と時間を要するのも事実です
どうしよう…
決断
友人と相談して笹を握りながら下れば降りられるだろうという事になりました
今回の登山ではグローブを使う場面が無かったのですが、ここでグローブが大活躍です
雪と笹の際を笹を握りながら下っていきます
時々歩いていて崩れた石や土がすごい勢いで下にカツンカツンと飛び跳ねながら落ちていきます
勾配のきつさが分かります
落ちたら自分もあんなになるのかな…
滑りそうなところますが、笹が命綱の代わりをしてくれるので何度も助けられながら前に進みます
「この調子なら降りられそうだね」
と少し安堵の会話も出来るようになりました
あの人たちもここから降りたらよかったのに…と要らぬお世話の妄想迄出来る余裕が生まれてきました
空白の8M(8メートル)
前に進むとポッカリ笹が途切れた場所に遭遇してしまいました
笹から笹をつかむまで何もない場所が8メートルほどあります
渡れるのかな…
友人はザックも小さいし、運動神経も良いのでその空白を何とか向こうまで渡りきることが出来ました
私の番です
崖っぷちを渡るように体を土に押し付けながら少しずつ前に進みます
何かを持ちたくても枯れた葉っぱだけなので体を支えることが出来ません
時々ある岩や石が外れないか試しながらそこへ指をかけて体重を支えながらなんとか半分まで来ました
しかしそこから先は本当に何もつかむものが無く、蟻地獄の中に落ちたように足を引っかけようとしてもズルズル滑るばかりでこれ以上動くともう脚は土ではなく、雪をけることになります
ザックも無くて軽い身一つなら渡り切れる自信がありますが、いつもの自分の体重ではないというのが計算違いでした
下を見るとはるか先まで雪の坂が続いています
スキーでもこんな坂降りられない…
怖くなって、体がこわばって涙が出そうになってきました
もう、前に進むことよりここから落ちた時どうやって落ちていこうかと思考が落ちる方向に向かっていきます
友人は戻れる?と聞くのですが
少しでも動いたら滑って下に落ちそうな状態なのでそれも無理だと伝えました
ロープか何かあれば掴まれるのにな…
ストックだったら、ここに刺しながら前に進めるのにな…
アイゼンだったら苦も無く前に進めるのにな…
とないものばかりが頭をよぎります
すると、友達がタオルや服をつないで長いロープのような代わりの物を作ってくれてそれを私に持たせてくれ、安全な場所から引っ張ってくれて何とかつかめる固い石のところまで移動することが出来ました
グループの人
空白8Mを超えた後は笹が有ったので、怖い思いをすることなく下山できました
下に先ほどのチャレンジャーグループの人が無事下山されたようで下の場所から私達を見上げてくさっています
下山を続けている私達の場所から石が落ちてしまいました
「落石!!」
と叫びグループの人たちは避けてくださったので怪我は無かったですが、今度は人を怪我させるかもしれないという二次災害が怖かったです
南流分岐
安全な舗装された道に無事出ることが出来ました
登りにこのエコーラインを使おうかという話もでていました
登りに使っていればこんな怖い思いをせず引き返して往復黒ボコ岩コースを使っていたと思います
あのまま滑落していても不思議ではなかったのでやはり登山届は出しておいた方が良いなと思います
まとめ
山は何が起こるか分からないを身を持って体験しました
あのまま滑落していても不思議ではないですね
登山届出すときはこんなことになるとは思わずに出していますが、出しといて良かったなと思いました
友人の機転で助かりましたが、一人だと本当に死んでいたかもしれない…
無理だとおもったら、引き返すことも必要ですね
6/22の雪の状態はこのような感じです
エコーラインの下山は危険でしたので参考にしていただければ幸いです
どうぞ、ご安全に楽しんできてくださいね
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